泣いてもがいて笑って泣いてな日常

アラフィフになってもくだらないことで悩みます

この先もう二度と思い返さないために。(2)

当時勤めていた職場には、私のような事務の職員と、

「先生」

と呼ばれる方々がいた。

そして、付き合っていた大学院生の彼の将来の希望している職業が、まさにその

「先生」

だった。

 

私は、その先生方と一緒に仕事をしていて、その職に就くことがどれだけ大変か、ということは多少知っていた。その職の求人がほとんど出ないことも。少ないが故に、求人票を見る範囲は日本全国となることが多い。私が彼と結婚するのであれば、彼の就職場所に合わせて、当時住んでいた地、私の職場がある地を離れなければいけない可能性も大きい。

つまり

仕事を辞めるということも十分あり得る

という事。

それこそが彼と付き合い始めて彼がその職を希望していることを知った時、自分の中で消化しておかなければならない問題だった。

 

彼をとるか、仕事をとるか

 

付き合い始めなら、「私は今の職を辞める気はない」と言って別れるという事も選択できた。

もちろん、仕事を辞めても彼についていくという覚悟をする方を選んだかもしれない。

だが、先に書いた通り、私は本格的に結婚の話に移行するまで時間はたっぷりあったのに、見ないフリ、してしまった。もしかしたらこの近くで上手いこと仕事が見つかるかもしれない、淡い淡い期待も持っていたのだろう。

 

彼が見つけてきた最初の職場は、当時住んでいた県からは新幹線で行かなければならない東京だった。

そして私は、仕事を辞めた。

 

あの時仕事を選んでいれば。

それは、仕事を選んでおけば良かった、という後悔ではなく、どうなっていたのだろうという単なる推測。でも時々それを思い出して、胸がキュンとなることがある。本当は仕事を選んだ方がよかったのではないか?という方に心が誘導されてしまいそうになる時がある。

 

そろそろ、思い返すことはやめよう。