見積もりは一体何物?
納品書のデータ入力は私の仕事。
発注した伝票をパソコンで呼び出して作業する。
ふとみると、パソコン上と納品書の数値が異なる。
納品書では@100円だが、パソコン上では@98円だ。
これって値上げ?と思って、単価入力などをしている一番経理に詳しい方にたずねると、
「あっ、見積もりがある!本当だ値上げしているわー」
とのこと。見積もりの金額も今回の納品書と同じ金額だ。
たまたま、パソコン上でその商品の単価データを直していなかったために判明した出来事。
ところがこれには続きがあった。
その話を聞いていた社長が、突如大きな声を出し始めた。
「オレはそんの値上げのはなしはしらん!」
そんなこと私に言われたところで、見積もりの用紙すら私には回さないのに知るか!と思っていたら、社長はその会社に、本当に値上げしたのかと電話をし始めた。すると驚いたことに、値上げの見積もりも納品書も間違いとのこと。値上げはされていなかった。
値上げしますの見積もりがあり、たまたま入力忘れで気づいたこの出来事にたいして、入力忘れていただろう!のお怒り、ではなく、なんかおかしいと気づいた私が叱られた。
相手からの見積もりがあって、それで値上げだと判断したことが気に食わないらしい。至極ふつーのことだと思うのだが。
社長曰く、「感覚的に、なんか、これは怪しいときづけ!」とのことだ。
確かに記憶力も悪いし商品に愛着が無いととられても仕方がないのかもしれないが、何か、理不尽に思えて仕方がなかった。そこまで要求するなら、せめて県の最低賃金から、一年に10円でもいいから昇給させてよ。
ついに私は、職場で泣いた。
ついでに辞める決心もしっかりついた。